消費税率アップ前に確認すべきこと
消費税 改正記事
第1回 請負工事についての経過措置
第2回 資産の貸付等に関する経過措置
第3回 税率アップ前に確認すべきこと
消費税 税率アップ前に確認すべきこと
消費税率の引き上げ予定として、次の図の通りになっています。
前回は、建物の賃貸借契約と旅客運賃について説明していきました。今回はまず社内で確認すべきことについて見ていきたいと思います。
1.請求書発行システムは新税率に対応可能ですか。
例えば、請求締め日が毎月20日の会社の場合、平成26年4月1日をまたぐ請求書では3月21日から3月31日までは5%、4月1日から4月20までは8%と成り、「5%の取引」と「8%の取引」が混在することになるので注意が必要です。請求書発行システムの組み換えが必要な場合も考えられるので、早めにメーカー等に確認しましょう。
2.見積書等の消費税の記載はどうなっていますか。
見積書をパソコンで作成しているところでは、消費税の表示について確認しましょう。金額を入力すれば消費税額が自動計算される場合、発行時期等によっては新税率への変更が必要となりますので注意して下さい。
3.レジが新税率に対応できますか。
国内の約3分の1を占めるPOS(販売時点情報管理)レジでは、システム設定の変更が必要となります。またスタンドアローン型のレジで税率変更の予約機能がない場合もシステム変更等が必要になるので、レジメーカーに変更を依頼しましょう。なお今回は、消費税率アップが平成26年と同27年10月1日の2段階で行われることを考慮しておく必要があります。
4.価格表示の変更を検討していますか。
お客様が消費者の小売店などでは、総額表示の義務化もあって、販売価格は消費税込みの総額表示が一般的になっていると思われます。消費税率の2段階アップに伴ってアップ分を販売価格に上乗せ(価格転嫁)した場合、値上と受け取られかねません。消費税転嫁対策特別措置法では税抜き価格を容認しているので、このまま総額表示を継続するのか、税抜価格に切り替えるかどうか早めに検討しましょう。